同一労働同一賃金にはメリットも多くありますが、現実的に考える視点も必要です。
同一労働同一賃金のデメリットについてもここで確認しておきましょう。
ここでは、同一労働同一賃金のデメリットをご紹介します。
人件費が上がる
よほどしっかり人事制度を整えている会社でなければ、人件費が上がってしまうところも多いのではないでしょうか。
その場合、今までは安い基本給や賞与、手当などで働かせていた非正規社員に、正社員と同程度のものを支払うという場合も考えられることです。
これが本来のあるべき姿といえばそうなのですが、そうなれば、一人当たりの単価が上がってしまうため、会社にかなりの負担が強いられるようなことにもなりかねません。
1円たりとも損はできない、そんなカツカツの状態で経営している企業にとってはまさに、厳しい状況に追い込まれるといえそうです。
紛争の理由が増える
また、非正規社員側は、同一労働同一賃金を理由に「なぜ同じ労働をしているのに同じ待遇でないのか」ということを聞くことが可能になり、企業はそれを果たす説明義務が課せられています。
この説明義務をしっかり果たせないと、非正規社員側は「安い労働力でこきつかおうとしていたんだろうか…」と失望し、怒りの矛先を向けてくることになるでしょう。
その結果、トラブルが起きたり、裁判に持ち込まれてしまったりすることも考えられることです。
行政による指導やADRを整備することによって、裁判以外の手段で解決が図れるにしても、トラブルや裁判は御免被りたいものです。
できることならそうならないように、基準や規定を明確化するというような努力は怠らないほうがよいでしょう。
その他にも、同一労働同一賃金に備えて人事制度を整えるため、工数が必要になるというようなデメリットも考えられます。